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テセレーション

光と影の芸術「平織り(テセレーション)」:幾何学模様が織りなす美の世界

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orimemo編集部
光と影の芸術「平織り(テセレーション)」:幾何学模様が織りなす美の世界

折り紙といえば、何か具体的な「形(動物や花など)」を作るものだと思っていませんか? しかし、世界には 「平織り(Origami Tessellation)」 と呼ばれる、全く異なるアプローチの折り紙ジャンルが存在します。

テセレーション(Tessellation)とは、「敷き詰め」や「モザイク模様」を意味する言葉。 その名の通り、一枚の紙に幾何学的なパターンを隙間なく、無限に繰り返すように折っていく技法です。

平織りの魅力:光のアート

平織り作品の最大の魅力は、「光と影」 です。 紙が重なっている部分と、重なっていない部分。 その厚みの違いによって、光にかざした時にステンドグラスのような美しい幾何学模様が浮かび上がります。

窓辺に飾ったり、ランプシェードとして使ったりと、インテリアとしての親和性が非常に高いのも特徴です。 具体的なモチーフがない抽象的な美しさゆえに、モダンな空間にもよく馴染みます。

どうやって折っているの?

平織りの基本は、「グリッド(格子)線」 をつけることから始まります。 通常の折り紙のように「角と角を合わせる」といった折り方ではなく、最初に紙全体に正確なマス目(縦横の格子、または三角形の格子)の折り筋をつけます。

  1. プレ・クリーシング(仕込み折り): 紙全体に16等分、32等分、64等分…と細かいグリッド線をつけます。この作業だけで数時間を要することもあります。
  2. コラプス(畳み込み): つけた折り筋に従って、特定のパターン(ツイスト、プリーツなど)を折り畳んでいきます。

代表的な技法

  • ツイスト(ねじり折り): 交点を中心に紙を回転させるように畳む技法。正方形のツイスト、六角形のツイストなどがあります。
  • プリーツ(蛇腹折り): 山折りと谷折りを交互に繰り返し、段差を作る技法。

根気と精度の世界

平織りは、正直に言って「根気」のいる作業です。 数百、数千という折り目を、1ミリの狂いもなく正確につけていく必要があります。 少しでもズレると、最後の最後でパターンが噛み合わなくなってしまいます。

しかし、その苦労の先には、整然と並んだパターンの圧倒的な美しさが待っています。 無心になってグリッドを刻む作業は、写経や編み物にも似た、深い没入感(マインドフルネス)をもたらしてくれます。

挑戦するには?

まずは、簡単な「あじさい折り(藤本修三氏考案)」から始めてみるのがおすすめです。 これは平織りの一種でありながら、比較的取り組みやすく、立体的で美しい花模様を作ることができます。

また、紙選びも重要です。 何度も折り畳むため、薄くて丈夫な紙が適しています。 トレーシングペーパーやグラシン紙などの透ける素材を使うと、光の透過効果がより強調され、幻想的な作品になります。

まとめ

具体的な形を持たず、純粋な「構造」と「パターン」の美しさを追求する平織り。 それは、折り紙というよりは、紙を使った建築や織物に近いかもしれません。

もしあなたが、コツコツとした作業が好きで、数学的な美しさに惹かれるなら、平織りの世界はきっとあなたを虜にするでしょう。 一枚の紙が織りなす無限のパターンの迷宮へ、足を踏み入れてみませんか?

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orimemo編集部

折り紙の楽しさを世界に広めるために活動中。最新のトレンドやテクニックを発信しています。